【教訓】心に残った、本や漫画の言葉
僕は本や漫画を読んだ後、たまに何か「学び」を得たような感覚があります。物語の中で登場人物が口にした台詞が頭に残り、教訓としてふとした時に思い出されるのです。今回は、僕が感じた「学び」を、作中の台詞を中心に紹介していきたいと思います。
「僕たちに必要なのは”いしりょく”だよ」
(アーノルド・ローベル「がまくんとかえるくん」)
クッキーを食べることをやめられないがまくんに対しかえるくんは、”いしりょく”が必要だと言います。クッキーをフタのついた箱に入れたり、ひもで縛ったり、高いところに置いたりします。
僕もクッキーを食べるのをやめられないことがよくあります(もちろん例え話ですが)。こらえ性のない人間で、我慢ということが苦手。そして我慢できなかったことを後から後悔するのです。ちゃんと我慢しなきゃいけない時、心の中でかえるくんが、大事なのは”いしりょく”だぞ、と応援してくれます。
「すべてはバランスなのだ」
(大久保篤「ソウル・イーター」)
世界の規律を守る死神2世のキッド君は、その性格も、左右対称にこだわる完璧主義者。しかし物語の中で彼は「行き過ぎた規律は、対極に位置するはずの狂気を生んでしまう」と悟り、「規律」「バランス」というものに対してより広い視野を持つことができるようになります。
これはあらゆる物事に対して言えることで、僕の場合は極端に落ち込んだり、極端な意見になっているときはキッド君の言葉を思い出します。ひとつ広い視野に目を向けると、自分が考えていた事の極端さに気づき、考えの一段外側が冷静に見えてくるのです。
「悪いことしたら、ごめんなさいだろ」
初期のボスとして登場する都城王土(みやこのじょうおうど)は、生まれながらの王であったが主人公に敗北。自分の計画を取り下げ、あらゆる好条件を差し出すが主人公は納得しない。「これでもまだ不満か、お前は何を求めているのだ」とキレる王土に主人公の言ったセリフがこちら。人に頭を下げたことのない王土は、謝罪だけは言われるまで気づけなかったのだ。
あきれるほど単純で当たり前なことを、物々しく見つめ直せるのは西尾作品の良いところですが、この回は見事にやられました。悪いことしたら、ごめんなさい。当たり前なのに意外とできないことについて、気づかされます。
「プライドの刃は捨てなくていい、一度足元に置くだけです」
喧嘩っ早い生徒のカルマ君が、仲間のために頭を下げる。これは、その時思い出す先生の言葉です。この後セリフは「置いた刃をまっすぐ見つめなさい、正しい志が宿った刃なら地面でも煌々と誇らしく輝いているはずです」と続く。大人になることのカッコよさを感じる名シーンです。
僕も、ついつい「プライドというのは一度折れたら治らない、取り返しがつかないものだ」と考えがちです。しかしこの教えは、そうした極端な考え方を優しくほどいて、「耐える」ための力をくれます。
「やめろルド、汚い言葉を使うと、心も汚くなる」
(斎藤洋「ルドルフとイッパイアッテナ」)
イッパイアッテナは野良猫の中でも一目置かれる存在。彼の子分あり友人でもある主人公のルドルフは、憧れの気持ちから彼の乱暴な言葉遣いをまねるうちに、段々と自分が強くなったような得意げな気分になってくる。そんなルドルフを見つけたイッパイアッテナは、責任を感じながらも強く𠮟り飛ばす。
幼いころに読んだ本だが、強烈でした。「僕もう汚い言葉使わないよイッパイアッテナ」と子供心に思ったものですが、今では1人でいるときに腹の立つことがあるとつい暴言を吐き捨ててしまう。そんな時は必ずイッパイアッテナが出てきて、自分の心が今、汚くなっていることを自覚させ、反省させてくれます。